2011年3月16日水曜日

日本福音ルーテル教会  渡邉純幸総会議長より議長書簡

日本福音ルーテル教会  
教職のみなさま  
信徒のみなさま
各個教会・関係施設のみなさま


2011年3月16日

日本福音ルーテル教会

総会議長 渡邉純幸
 

議長書簡

「東北関東大震災」をおぼえて


『どんな幸福な生活にも数多く起る試練や心労を、堪え難い重荷だと考えるか、それとも自分の生活原則を実行し修練するために、神から授
けられた機会だと見るかは、ものごとの感じ方として大きな相違である。……この後の見方は、もちろん信仰があって初めて出来ることであり、またそれが信仰の最も明らかな利益の一つである。十字架は重いが、ふしぎなことに、おまえがそれを担うやいなや、それがおまえを担ってくれる、はじめは闇夜だが、行く手は真昼の明るさ。……。』
(ヒルティー著「眠られぬ夜のために 第一部・3月13日」より)


去る3月11日に起きた地震、津波による大惨事、いわゆる「東北関東大震災」により、亡くなられた方々に、心より哀悼の意を表しますと共に、ご遺族の上に 主の慰めと平安を心よりお祈り申し上げます。また、被災者ならびに被災地域の方々のご健康と、一日も早く元の生活に戻ることが出来ますよう合わせてお祈り 申し上げます。


この度の大震災は、未曾有の出来事で、そのことは時々刻々テレビや新聞等をとおして連日報道されています。それを見るにつけ、自然に対する人間の無力さを 感じるとともに、人間の歩んで来た道を再度思い起こされてなりません。今回の突然の大震災に、人は何が出来るのかと問い返すしかない私たちです。また神を 信じる私たちにとって、なぜ神様はこのような試練に会わせられるでしょうと問いたくなるような光景を目の当たりして、ヒルティーの言葉『十字架は重いが、 ふしぎなことに、おまえがそれを担うやいなや、それがおまえを担ってくれる、はじめは闇夜だが、行く手は真昼の明るさ。……。』の言葉が迫ってまいります が、神さまは必ず共にいて支えて下さること思い起こしながら、この被災者の痛み試練を共に担い、歩みたいと思います。
 

 今、最愛の父母、兄弟姉妹、親戚友人を亡くされた方、また家を失い、寒さに震えて暗い夜を過ごすことを余儀なくされて失意の直中に置かれ、明日の希望をも見出すことの出来ず、悲嘆と苦悩のただ中に置かれている人々の痛みを心から受け止め、それらの人々の生活が好転するための支援活動を神と共に展開したいと思います。  
 この度の大震災対して、世界中のルーテル教会ならびに、信徒の方々からの励ましと祈りが、日本福音ルーテル教会に寄せられています。まず共に、主と共に困 難な道を勇気と希望を持って歩みましょう。私たちの背後には、世界中のキリスト者、ルーテル教会の一人ひとりのお祈りがあることを思い起こし、祈りの輪と 支援の輪を広げて、被災者の方々と共に救援活動に参加しましょう。
なお、日本福音ルーテル教会は、一昨日の3月14日、東北関東大震災救援対策本部を事務局に立ち上げ、対策本部長に総会副議長青田勇牧師が任じられまし た。同時に、日本福音ルーテル教会とエキュメニカルの対話を1960年代より続けています日本カトリック教会及び日本聖公会と共に今回の東北地方の震災被 害地域の人々のための救援活動を必要に応じて協力して行きたいと思っています。
   
 主の御受難をおぼえつつ!