2011年3月29日火曜日

食料輸送報告2(石巻へ)


 
石巻へ届けた食料輸送の報告です。

(担当:伊藤神学生)
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2011/3/28 1 回救援物資運搬報告(石巻)

【報告者】 伊藤節彦 (神学生)
【実施日時】2011 3 28 ()29 ()
【訪問地】 宮城県石巻市

1回災害支援物資運搬(石巻)の実施状況を下記にご報告致します。
走行距離は往復で約 1,000km 近くになりました。

【時系列概要】
06:50 自宅から誠実運輸(八潮市)へ向け出発
07:45 誠実運輸着
08:20 KTS へ向けて出発 KTS 到着
08:50 荷物積み込み作業、出発式
10:25 KTS 倉庫を出発
    東北道を北上、冨谷 JCT から仙台北部道路、三陸道を経由し石巻へ
16:15 石巻総合運動公園到着
18:10 荷物の積み降ろし作業後に、石巻専修大学へ移動
18:20 石巻専修大学到着
18:50 荷物()の積み降ろし作業後に、石巻市役所へ移動
19:15 石巻市役所到着
19:36 支援ニーズの聴き取り調査後に、東京へ向け出発
04:20 誠実運輸到着
06:00 自宅到着

【途中経路状況】
・東北道は一般車両も通行可能だが、所々に地震による隆起陥没、ひび割れが見られ、 応急的措置を施して使用している状況。そのためトラックのバウンドが起きるため、荷物を積載している状況では、スピードが出せない。宮城県内は 50km 規制の区間が多い。
・石巻への最短ルートとなる仙台東部道路が災害通行止めのため、更に北上し、新しく出来たばかりの仙台北部道路経由で三陸道へと進むことが出来た。三陸道は松島以降については緊急車両のみ通行可。


【石巻総合運動公園の状況】
・積載物の水以外をここで降ろす。物資の受領確認は石巻市商工観光課の木村茂徳さん
から頂く。
・ここは自衛隊の救援本部が置かれており、旅団規模が展開。米兵の姿も多く見られた。
・ここには一般市民の避難者は居らず、自衛隊の本部、救援物資の倉庫、車両基地、野営場となっている。救援物資は先ず受付で登録し、荷物を引き渡す手順となっており、 受付には自衛隊員と市役所職員が待機している。ここから市役所の要請に応じて、必要な避難所に物資を自衛隊が届ける仕組みとなっているとのこと。
・自衛隊員も交代要員を含め、毎日全国各地から合流しているとのことで、末端の隊員自身は全体状況を把握出来ていない感じ。
・運動場自体も水につかったのか、倉庫エリアのぬかるみがひどく、トラックもタイヤが何度もとられて、その都度自衛隊員に押してもらって脱出。
・フォークリフトでの積み降ろしが効率的なため、種類毎にパレットを分けて積載してもらえると今後はベター。またパレットは持ち帰ることも可能だが、そのまま置いてくるのが現地としては望ましい。
・救援物資は、種類毎に異なるテントで保管されているため、箱に内容物が混載していると仕分けが出来ず大変だとのこと。今回のようにきちんと種類毎に分けてもらえると助かるとのコメント有り。
・現在不足しているのは生鮮食品。保存食はかなり集まって来ているが、生鮮食品がないので、事前に連絡の上送ってもらえれば助かるとのこと。

【石巻専修大学の状況】
・社会福祉法人石巻市社会福祉協議会の桃生支社長、渋谷秀樹さんにペットボトルの水 40 箱をお届けする。また、市川学長からの預かり物をお渡しする。
 ・水は給水車で運ばれてきている状況だが、このペットボトルは本当にありがたいとの
感謝の言葉を頂きました。
 ・現在 400 名の一般市民が避難されている。避難所は 4 号館の講義棟を開放し、そこの1 階と 2 階に寝泊まりされているが、階段教室なため、寝るスペースの確保が難しく窮屈そうな感じ。
 ・体育館は赤十字が入っており、医療スペースとなっている。

【石巻市役所での聴き取り】
・総合運動場及び専修大学で、今後の中長期的な支援内容のニーズをお聞きしたが、市役所が対策本部となって一元化しているとのことで、物資運搬後に 19 時を回っていたが市役所訪問することとした。
・先ず、物資関係の担当部署ということで商工課・農林課を訪ねる。総合的なニーズを横断的に受発信する機能はないとのことで、現在は内容毎に担当部署に個別に尋ねる 形であるとのこと。例えば物資であれば、商工課・農林課が担当。メンタル的なケアの関係であれば健康推進課。義援􏰁等に関しては福祉総務課が担当しているとのこと。 農林課以外は職員が既にいなかったため、具体的な聴き取りはこれ以上行えなかった。
・食料以外の物資、例えば衣類などに関しては、下着類はかなり集まって来ているので OK.しかし皆着の身着のままで避難したため、上着類が不足している。男性はとりあえず何でも着れれば良いが、女性は好みの問題があり、衣類に関しては難しい。なので、子ども、若い人〜高齢者向けの女性用衣類は、とにかく種類を多く送って頂けると助かるとのこと。
・石巻・女川地区では現在 100 箇所の避難所があり、約 2 万人が避難生活を送っておられるとのこと。
・市役所自体も 1 階フロアは浸水。現在 3,4 階を使用している。3 階には避難民の方も百名程度おられる。

【石巻市の被害状況】
・物資運搬に時間をとられ、明るいうちに被害状況を視察することが出来なかった。
・石巻 IC から避難所までの道には、1.5m 程度の高さの所まで水がきた後が残っており、 道路端には、各家・店から浸水で使えなくなった畳み、椅子、机、家電製品、その他残骸が、どこもうずたかく積まれていた。
・自衛隊員の話では、沿岸部の方では、まだ水が引いていないところもあるとのこと。
・今回訪れた、2 箇所の避難所の写真も、避難民の方の神経に触れないように陰から数枚写すことができただけであった。

【今回の支援を通しての所感】
 ・この状況なので仕方がないとは思うが、自衛隊や市役所の方も、情報、状況の共有化が途上にあるような感じである。
・石巻専修大学におられる渋谷さんのように、個人的に顔の見える方を窓口に入り込んでいければ、もう被災された方への直接的な支援が出来るのではないかと感じた。
・そのためには、こちら側の人間が中長期的に現地に赴き、そこで支援策を一緒に練るような体制が、現地の方の信頼も得られ、良いのではないかと思った。
 ・支援物資も週替わりでニーズが変わっていくと思われる。そのニーズに対応するためには、もっときめ細かな体制が必要であろう。そこまで踏み込むか、踏み込まないのであれば、従来通りの保存食関係に加え衣類などをの支援を呼びかけていくというこ
とであろうか。
 ・人材的な派遣に関しては、現地の受け皿を明確にしてから行うのが良いと思われる。

以上