2011年7月9日土曜日

[ボラレポ]絶望の中に埋もれる人を見つけて支える

第2回ボランティアバスに参加しました。
今回の目的は、牡鹿半島の先端付近にある、鮎川町の仮設住宅に花を植えるということでした。花は広島の花屋さんから寄付していただいたものだそうです。
まだ人が入ったばかりの仮設住宅に少しでも潤いを、という住民の皆さんのご希望に沿って企画されたものと伺っております。

240株の花の苗をプランターに植えて2か所の仮設住宅にお配りしましたが、それは1戸につき3株ずつという、わずかなものでした。それでもみなさん総出で私たちを歓迎してくださいました。
植え終わってから、住民のみなさんと交わりのひと時がもたれました。
私は一人の若者と話すチャンスが与えられました。彼はプロレスファンで、自らもレスリングをやり、プロテストも受けたことがあるという若者で、その大きな体で、プロレスの面白さを一生懸命私に話してくれました。プロのテストには受からなかったそうですが、幸い今は介護の仕事が与えられているということでした。
その体はきっと介護の仕事で良く用いられることでしょう。
地震や津波の話はしませんでしたけれど、今を一生懸命生きている若者の姿にちょっと安堵しました。

仮設住宅訪問の前後に、石巻、鮎川町、女川町、東松島、野蒜町など、主な被災地を見せていただきました。波にさらわれて土台しか残っていない家とか、1階の壁がまだわずかに残ってひしゃげている家とかを見ると、まだその土の中に埋もれている人がいるのではないか、あるいは倒れた家の柱の陰に隠されている人がいるのではないかと思わず覗いて見るのでした。

まだまだ手つかずのところが多い中、わずかずつではありますが、後片付けの重機が動いていたり、新しい壁が張り替えられていたり、ピカピカの屋根瓦が載っていたりすると、絶望の中にも、ちょうど春になって土の中から小さな新しい命が芽生えてくるような力強さを感じます。
反面、本当の絶望の中に埋もれている人たちはどこにいるのでしょう?
「となりびと」の活動は、そのような人たちを見つける作業も忘れないで、みんなで力を合わせて頑張りましょう。

ボランティア 井上(本郷教会)