出発前、西日本教会ボランティアブログの更新用アドレスを伊木先生にお聞きし、慣れないなりに、出来る限りリアルタイムで活動の様子をブログに載せました。よろしければごらん下さい。(アドレスは http://wjelc.blogspot.com/ )
要所、要所で写真をとって送信するのは結構大変でしたが、ちょっと面白い経験でもありました。そのブログにおもな報告を載せていますので(途中写真が途絶えているところもありますが・・)、ここでは総括的な感想を記します。
今回の活動の中に「畑作り」というのがありました。荒地を耕して大豆を植えたのですが、ブログを見た方の中には「なぜ震災ボランティアで畑仕事をするのか?」と疑問に思われた方もあると思います。わたしも最初そう思いました。
しかし、「被災した農家の方々が“畑仕事がしたい”と願われた時にすぐ働いていただける場所を作るのだ」、と説明されて少し納得しました。
でもほんとうに「そういうことか!」とわかったのは、一緒に働いていた3人の方々が「被災者の方々」だと知った時でした。特にその中の一人、Tさんという男性は、今も避難所で生活されています。その方が、ルーテルとなりびとの「どなたか畑仕事を手伝っていただけませんか?」という呼びかけに応えて、参加してくださったのです。
多くを語らず、ただ黙々と畑を耕されるTさん。でもTさんの耕した部分は、その日働いたすべての人々の中で一番美しい仕上がりでした。
1日の活動を終えて避難所に帰って行かれたTさんの後姿を見届けながら、「こういうボランティアもあるのだ」と思いました。
今回植えた大豆が大きく育てば、それで味噌を作るのが夢だ、とスタッフの遠藤さんが言っておられました。それが実現すればその味噌は、被災者の方々と、ルーテルのボランティアと、そのほか協力してくださったすべての方々の汗と涙の結晶です。きっと天国の料理の味がするでしょう。早く味わいたいです。
今回、4つのルーテル教会が一緒に「ルーテルとなりびと」で活動させていただくことになったのは大変感謝なことだったと思います。同じルーテル教会とはいえ普段あまり交わる機会のない4つのルーテル教会の人同士が、同じ場所に寝泊りし、同じ釜の飯を食し、共に祈った。そして何よりも、共に汗を流してボランティアにいそしむことが出来たのは、得がたい経験でした。さらにこの「ルーテルとなりびと」を媒体に、日本福音ルーテルの社会事業(東京老人ホーム等)のスタッフや、さらに聖公会の方とも交流することが出来ました。このような出会いは、「ルーテルとなりびと」がなければ実現しなかったと思います。これからもそれぞれの教会が、それぞれの持ち味を生かしながら、よい形で交流していければ・・と思います。
また、西日本福音ルーテル教会が掲げた「100人派遣プロジェクト」。これも素晴らしい試みだったと思います。今回、教職の岡崎師はもちろん、荒島教会、津山教会、姫路教会の兄姉と良いお交わりをさせていただきました。教会訪問とは違い、聖会やキャンプとも違う「ボランティア」を通じての交わりは、また特別なものでした。今後も西日本教会から一人でも多くの方々がこのプロジェクトに参加し、同じ経験をしていただきたいと思いました。
今回このような機会を与えてくださった主と教会の皆様に心から感謝します。
最後に、わたしたちがこのように良い時を過ごさせていただけた背景に、となりびとスタッフ・関係者の方々の多大なご苦労があることを覚えます。本当にありがとうございました。どうか皆様の御健康がこれからも守られますように。
ボランティア 永田令(西須磨教会)