2013年1月11日金曜日

【ボラレポ】カレー炊き出し 福島の地にキリストの恵みと平和を祈る


今回、杉並聖真ルーテル教会が中心となって開催しているカレー炊き出しボランティアに参加させていただきました。

東日本大震災が発生して以来、いつか必ずボランティアに参加したい、被災した人達の隣人になりたいという気持ちを持ち、祈り続けてきました。
その機会がついに訪れ、私は喜びとともに参加を即決しました。

12月19日に仙台を経由して福島県に入りました。
目的地は、南相馬市鹿島区にある仮設住宅団地です。
福島第一原発から約30キロのところでした。
集会所に到着したボランティアスタッフ達は、杉並聖真ルーテル教会の北川師の指示の下で、カレーライスの盛り付けをし、仮設住宅に住んでいらっしゃる人達に配りました。
カレーライスを受け取りに来る人達のうれしそうな顔を見て、私もうれしい気持ちになりました。
約二時間の作業でしたが、あっという間に終わってしまいました。

地元のボランティア団体である六角支援隊のスタッフさんに聞いたのですが、仮設住宅に住んでいらっしゃる人達は、70歳以上の高齢者がほとんどで、若い人達は既に引越したそうです。
このようなイベントはここの人達にとても喜ばれるのだと教えていただきました。

また、故郷を離れて仮設住宅に住んでいらっしゃる人達にとって、孤立化や孤独感が大きな問題であり、それを防ぐための精神的なケアが大事であることを教えていただきました。

炊き出しの終了後、大留さんの案内で南相馬市の原町区に向かいました。
震災の被害が大きかった海岸沿いを中心に訪ねました。
福島第一原発から20~25キロのところでした。

決壊した防波堤、地震と津波で破壊されたまま放置された家、放射線のため人が住めなくなった町並みが、私達の目の前に広がりました。
初めは瓦礫処理が順調に進んでいる様子を見ることができたのですが、原発に近付くにつれて復興がほとんど進んでいないことを知りました。

この現実を目の当たりにして、クリスマスをどのように喜べば良いのだろうか?
そんな疑問が私の心に浮かんできました。
復興が進んでいる地域とそうではない地域。
復興の流れから取り残されて今なお苦しんでいる人達。
このことをどのように受け止めれば良いでしょうか?
キリスト者としてどのように祈れば良いのでしょうか?

六角支援隊のスタッフさんは私達に次のように言いました。
「福島は復興したと誤解している人が多いが、まだ復興は道半ばです。あなた達が見た現状を周囲の人たちに伝えて欲しい。そしてこれからも福島の復興に関心を持って欲しい。」

キリスト者の務めは、主の言葉を聞いて、主の言葉を語ること。
福島の地にもキリストの恵と平和が宿っていることを信じ、祈り続けること。
福島のための祈りこそが、私に課せられた務めだと思いました。

最後に、今回のボランティアにご協力くださった大留さんを始めとする六角支援隊のみなさま、北川師、大宮シオン・ルーテル教会の梁師、ルーテルとなりびとの野口師、佐藤さんの働きに、心から感謝いたします。

ボランティア 禹(大宮シオンルーテル教会)