2011年5月17日火曜日

[ボラレポ]キッチンと被災現場で

 1日目は被災地を訪ね、2日目はキッチンボランティアとして、そして3日目は実際に現場でのボランティアに参加させて頂いたのですが、凄まじい被害を目の当たりにし、その中で自分自身が出来る事というのも、本当に小さな事に過ぎず、ただ愕然としました。7人の大人が一生懸命ヘドロを掻いても、限られた時間で出来るのは、ほんの数メートルです。まだまだ回りには、手付かずの所だらけです。
 その、すずめの涙程のボランティアに対して、家主の方は深々とお辞儀され、「本当にありがとうございます」と言われます。心が苦しくなりました。
 人一人が出来る事など、このあまりにも大きな被害の状況に対して、本当に小さな事です。何の足しにもならないくらいの働きかもしれません。だけれども、福音書の中に出てくる「5千人の給食」の箇所を思い出します。
  小さな子どもが持っていたのは、5千人に対して、何の足しにもならない位の5つのパンと2匹の魚だけでした。でも、その小さな子どもがした事は、その持っているものを、ただイエス様の所に持っていったのです。「ここに5つのパンと2匹の魚があります」と。それをイエス様が祝福し、全ての人がお腹いっぱいになる程に満たして下さいました。
 この震災の被害を見るとき、多くの方が「神はどこにいるのか」と感じているかもしれません。
 私がボランティアに参加した三日間の内、たった1日しかお会い出来なかった、ある一人のボランティアの方が、「となりびと」の、交わりの時間に、分かち合って下さった一言がとても印象に残っています。
   「このヘドロとガレキの中に主がおられる」
 この苦しみ、悲しみ、最悪の状況、そのヘドロの中に、イエス様がおられる・・・。その通りだと感じました。私たちが出来る事はなんだろうか?それは、そのヘドロの中におられるイエス様の所に、ただ「ここに5つのパンと2匹の魚があります」ともって行く事ではないかと思わされました。
 人それぞれ、出来る事も違います。それぞれが与えられた賜物を、主が祝福し用いて下さいますように。これからも続けて祈りつつ、この小さな小さな者も主が祝福し、用いて下さいますように。


栗崎かおり