震災から9ヶ月が経ち、あの日を思い起こさせる寒い日々がやってきました。
今回の報告会では、現地スタッフの佐藤と共に、石巻在住で女性プロジェクトのカウンターパートナーであるスワン・国際協力の会の千葉直美さんが上京し、お話くださいました。
まずはスタッフ佐藤から、9ヶ月の歩みをご報告。
緊急物資支援から、物資支援・さまざまなボランティア・ボランティアコーディネート、女性会連盟との協働、コミュニティ支援などへ活動が移ってきた様子がわかります。
現在の主な活動は、
・仮設支援(石巻市河北、北上地区)
・コミュニティ支援(気仙沼市本吉町前浜)
・女性プロジェクト(石巻市市街地、北上地区、気仙沼市本吉町前浜)
・漁協支援(十三浜と東松島市の宮戸西部)
・介護・医療施設の支援(特養おながわ、リバーサイド春圃、光が丘保養園、すみちゃんの家、さくらんぼクラブ)
・福島での支援(みちのく応援隊を通して)
などになっております。
これからの課題としては
1)仮設住宅団地での自治会づくり
2)精神的なストレスの表面化
3)支援物資の余剰・難しい配り方
4)被災者格差の拡大(震災前からの問題×震災による問題)
5)仮設住宅とみなし仮設の格差
7)復興のスピード格差(=被害の大きさの違い)
8)支援団体・ボランティアの減少
などが挙げられていました。
続いて、千葉さんからのお話。
震災当時はお勤め先の大学の三階にいて、近くを流れている北上川をボートや車が逆流してくるのを見ていらしたそうです。夜には空が真っ赤になっていて「町 が燃えているんだ・・・」と衝撃を受けたそうです。大学なので、震災後しばらくはけが人が運び込まれてくるのだけど、電気もなく、なにもできないので「ここに運んでもらっていいのだろうか・・・」と悩まれたそうです。
ご家族とは、当日中に連絡ができたそうですが、おうちに帰ったのは10日後だったとのこと。 ご自宅に戻ってからは”町内会”の力に助けられたとのことでした。
千葉さんは、現在女性たちの心のケアを中心に活動されています。先日ルーテルの支援で開催された生け花の会、キャンドル作りなどです。震災の記憶がよみがえる日々の中で、安らかな時間を過ごすことの大切さ。「なんで自分は生き残ってしまったんだろう」という罪悪感を持っている方が多くいらっしゃるとのことなどをお話くださいました。
また、化粧水などを詰めた”うるうるパック”、包丁とまな板のプレゼント、女性の視点ならではの「うれしかった支援」を教えてくださいました。
そして千葉さんが大好きなお花を、石巻の皆さんに届けるお話。全国から届いたお花を、さまざまな方に届けたり、街角に植えたりされています。花を受けった方の、写真の笑顔がまぶしかったです。
最後に、津波をかぶった木に実がなっているのを見て、自然と一緒にいのちを大事にしながら生きていきたいと思っていること。今日会った人と明日は会えないかも知れないという不安を持ちながら生きていることなどをお話しくださいました。
千葉さんのこうした繊細で柔らかな感性に触れると、スワン・国際協力の会と共に、石巻の女性たちのお力になりたいと、いつも思いが新たになります。これからも、千葉さんをはじめ、石巻の女性の方々に寄り添いながら、活動を続けて行きたいと思います
最後に、仙台から駆けつけて下さっていた伊藤牧師からお話がありました。
「当たり前のものがなかった」避難所のこと、仮設のお茶っこ会のこと、心配な方々こそ外には出ていらっしゃらないので訪ねていくことの必要性、支援センターを提供してくださっている仙台教会の方々との分かち合いのときの大切さ、今後、今回の経験が世界に生かされることの願いなどをお話しくださいました。
会場ではしも子さんのカレンダーや北上ミサンガも販売。たくさんのご購入をいただき、ありがとうございました。
次回の報告会は、震災から1年、3月11日に予定されています。どうかあの日を忘れずに、共に祈り、共に歩み続けるために、会場に足をお運びください。